障子について

障子は直射日光を遮り、その障子を通した光は、部屋にやわらかに拡散され、落ち着きを与えてくれます。 また、夜は室内の明かりを反射させ、より室内を明るくしてくれます。
そして、和紙の持つ特性で、墨のような多孔性を持つ性質があり、自然な形で吸着、吸湿を行うので、室内の空気の清浄、吸湿を行ってくれます。

さらに、最近の暑い夏でも、直射日光を遮りますので、冷房効果を高めることができます。また、寒い冬でも、放射冷却を防いでくれ、窓等が極端に冷えるのを抑えます。

障子の枠は組子といって格子状になっています。
その組み方や仕組みによって分類されます。
代表的なものをご紹介します。

荒組障子
荒間障子とも呼ばれ、縦横の組子の間隔が大きく取られている障子で、一般的な障子です。
横繁障子
横組子が通常よりも多く組み込まれている障子で、関東の方で多く使用されています。
縦繁障子
縦組子が通常よりも多く組み込まれている障子で、関西の方で多く使用されています。
猫間障子
障子の下半分にガラスをはめ込み、開閉できる小障子を組み入れた障子です。
締め切った状態で猫が出入りできるように細工したことから猫間障子と呼ばれています。
雪見障子
猫間障子の一つで、で障子の下部に上下する小障子があり、外側にガラスが入れられ、外が見える細工になっています。
腰付障子
上部が組子で下部に腰板を貼った障子。

障子の種類

手すき楮障子紙(楮:こうぞ)
天然繊維である楮(こうぞ)を主原料に手作業で作られた障子紙で、和紙独特の風合いがあり、しかも、とても丈夫な品質となります。
一応、規定として楮(こうぞ)が40%以上含むものを楮(こうぞ)障子紙と呼ばれていますので、その割合や組み合わせの材質によっても品質・価格には幅がありますが、全体的には高級和紙の障子となります。
レーヨン障子紙
レーヨン(人絹)を40%以上含む機械漉き(きかいすき)で作られる障子紙で、丈夫さや質も楮(こうぞ)の和紙に近く、一番多く使用されているのもこのタイプです。
麻入り障子紙【あさいりしょうじがみ】
機械漉きの普及紙で、パルプ、マニラ麻、レーヨン、化学繊維のナイロンなどを混合し機械漉きされた障子紙です。
比較的厚みのある紙ですので丈夫ですが、化学繊維が主ですので、静電気等が起こりやすく、ホコリを吸い取りやすいので、汚れやすい紙でもあります。
パルプ障子紙
パルプを80%以上含む機械漉の量産紙で、一般的に売られている障子紙はこのタイプです。
価格が安く仕上がるのがこの障子紙ですが、強度が弱いため、早い段階での張替えが必要となります。
ワーロン障子紙
和紙を塩化ビニール樹脂で両面をラミネートした障子紙で、ラミネートする分、強度や耐久性に優れています。
また、見た目には和紙のもつ風合い等も保つことができます。